人材の階層

組織を、「人材」という要因で分割すると5階層に分かれると考える。
- 役員
- マネジャー
- マネジャー以下、スタッフ・ラインワーカー以上
- スタッフ(本社)
- ラインワーカー(工場)
管理対象ゾーン;HRM

ヒト(human)が持っている、時間という経営資源(resource)を管理(management)される対象とは、どこのゾーンか? このヒエラルキーで解説すると、それは、役員以外が全て対象となる。
Quality(質) vs Quantity(量)

上位層であろうと下位層であろうが、業務に携わっている限り求められる種類は2つある。一つは業務の質を向上させる仕事。もう一つは業務を処理する仕事。
しかし、同じ8H労働であってもその業務のウェートが異なる(べきである)。
コスト競争力から知的競争力へ

中国が世界の工場と言われるのは、モノづくり各社が中国で工場を稼働させているからである。では、なぜ、中国に工場を移転してモノづくりを行うのか? それはコスト競争力(労務費の低減)があるからである。
この業務の対象となるのは、「量」的な仕事であって決して「質」的な仕事ではない。ある一定のスキルがあれば誰でも対応できる定型業務であるからこそ、結果的に労務費が安い場所に業務を移動させているだけである。
これを生産性の分解式で解説すると、分母の低減であって分子の向上ではない。
これらの業務は、Global化が進む中では決して日本国内で対応する必要がなくなってきていることは、言うに及ばない。
また最近では、本社のバックオフィス業務にまでその影響が及んできている。現在においては、各企業は付加価値の高いところにヒト(human)が持っている、時間という経営資源(resource)を投入する動きが強くなってきている。結果、「量」を重視する業務は自社から離されている(=手離れ)のである。
これらの動きが可能となるのは、これらの業務が「定型業務」だからである。「量」的な業務は、標準化させることによって投入資源の低減が計画的に可能になり、結果、そこに投入する労務費、もしくは、人件費がそのままコスト競争力となってしまうのである。
では、成熟した(=developed country)日本国内に残る業務とは何か?
ナレッジワーカー;知識労働者

- KW;Knowledge worker(ナレッジワーカー)
- WC;White collar(ホワイトカラー)
- BC;Blue collar(ブルーカラー)
それらは、「質」的業務であり、そこに従事する人材こそがナレッジワーカーと言える。ナレッジワーカーは、コスト競争力ではなく知的競争力の中で競い合う。なぜなら、彼らは業務を処理すること(量)を期待されているのではなく、業務の質を高めることが期待されているからである。
これを生産性の分解式で解説すると、分子の向上であって分母の低減ではない。
この動きは、経済的な視点から見ても間違いではない。日本は少子高齢化社会に突入している。これはそのまま労働人口の減少を意味する。労働人口が減少する中でコスト競争力(=量的業務のマネジメント)を視野に置いた経営は、方向性としては逆行している。なぜなら、コスト競争力の源泉となる対象業務対応人口も減少するにも関わらず、その業務を増加させることは、その業務に従事する労務費、もしくは、人件費の高騰を招くだけだからである。
また幸いにも、それらの経営資源はBRICSで賄うことが可能であることも事実である。つまり、日本は既にDeveloped countryなのである。
よって、階層の高い位置での競争力を考察しなければならない。
今後、日本企業は一人でも多くのナレッジワーカーの確保、及び、輩出が期待されるであろう。
ナレッジワーカーは組織内に散らばっている

生産性を向上させる人材の対象は、組織内に散らばっている。但し、「業務の量」を重視した生産性向上なのか? 「業務の質」を重視した生産性向上なのか? 業務のウェートによって、人材のカテゴリーは分別される。
一般的に、生産性を向上させる業務の対象が「工場経営内」と理解されるのは、それは測定が比較的可能な「業務の量」が対象になっているからである。
しかし、ISPIでは対象を「業務の質」にフォーカスし、対象としてはナレッジワーカー(一部、ホワイトカラーも含む)としている。学術的な見解で分別すると、
- ナレッジワーカー(KW);ヒューマン・パフォーマンス・テクノロジー(Per HPT)
- ホワイトカラー(WC);ヒューマン・プロダクティビィティ・テクノロジー(Pro HPT)
- ブルーカラー(BC);インダストリアル・エンジニアリング(IE)
が該当する。対象が異なるので、導入される技術も異なる。
尚、ISPIが対象としている人材は、ナレッジワーカーであり、これを上記のヒエラルキーで解説すると、
- マネジャー
- マネジャー以下、スタッフ・ラインワーカー以上
となる。重要なことは、これらに所属する人材は、本社部門であろうが、製造部門であろうが、全ての部署に存在している、ということである。
従って、これらの人材を対象に生産性向上活動を全社展開することが、自社にとって非常に大きなインパクト(最終的には、営業利益)をもたらすことは、容易に想像できるだろう。